BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

山を越えた

この5年間くらい抱えてきた精神的危機を脱しつつある。特に派遣社員から足を洗った2年前は深刻で、新たな生活様式を築くことができず、持病の躁鬱病で精神が狂気の暗がりに閉ざされてしまいそうになった。精神科に通ったのもこの頃だった。

最初は抗精神病薬のオランザピンを処方されたが、やがて、同じ抗精神病薬のクエチアピンと睡眠薬ゾルピデムが追加された。この組み合わせは私の症状にベストだと思うけど(それまで抗鬱薬や、抗不安薬気分安定薬を試したけれど、狙いどおりの効果は得られなかった)、体調が上向きになってくると、ちょっと、効きすぎる、重すぎるように思えてきた。病気の山は越したのだから、薬の種類を徐々に減らしたい。躁鬱病の治療は、予後と予防も含めるので、すべての薬を中止することは難しいけれど、せめて単剤で、シンプルにいきたい。まずはオランザピンと同じMARTA(多元受容体作用抗精神病薬)であるクエチアピンを減らしたい。来年はこの処方でいきますと、主治医の先生にお願いするつもりだ。