マッキーのアルバイト

原付きの鍵を探しながら
バイト仲間に じゃあねと手を振る
“今日はデートだろ 頑張れよ”
返事も途中で奴は
かけて行く

早番の時だけ 夕陽が見れる
ミラーの中で街が染まってく
とてもキレイで誰かに見せたい
だけど50㏄じゃ二人乗りはできない1

上京。大学入学、中退——。槇原敬之は1990年にシングル「NG」、アルバム『君が笑うとき君の胸が痛まないように』でデビューを果たしたが、それだけでは生活できなかったのだろう。いくつかのアルバイトを掛け持ちしたのではないかと歌詞から推察される。シンガーソングライターになりたい。この夢があればこそ、彼は身過ぎ世過ぎの徒労にも耐えることができたのかもしれない。昔も今も、音楽は彼の心棒なのだ。

トラックから降りて
今日も始めよう
川沿いの素敵なレストラン
裏口へ回る
帰り支度のソムリエに
帽子を脱いで good night
そのまま後ろにかぶったら
僕のスタイルの出来上がり

ずっと愛され続けてる
街一番の景色を
独り占めしながら
タバコを一本吸って始めよう2


  1. 槇原敬之「LONESOME COWBOY」。

  2. 槇原敬之「Cleaning Man」。