兼業作家になりたい

いいことを思いついた。今の会社で労働者として働きながら、個人事業主として独立してしまえばいいんだ。具体的な条件は会社と交渉しなければならないが、確定申告は自分で処理しなければならない以外は、健康保険も、厚生年金も、現在の条件のまま継続できる筈である。

今まで、会社に勤め続けるか、それとも、会社を辞めて独立するかの二者択一で考えていたが、どちらでもない、努力と交渉次第で、従属しながら独立する、不自由だけど自由な存在の仕方があることを知った。思えば、これは兼業農家の経営と一緒ではないか。近年、一部上場の企業でも終身雇用が揺らいでいるため、副業やフリーランスに注目が集まっている(煽られている)が、事業所得と給与所得を合算して会計する勤労者は昔から一定の割合で存在する。

今、簿記3級とFP3級の資格を取るために勉強しているのだが、個人事業主として開業することを視野に入れれば、この勉強にも意義があるように思えてくる。この調子で会社の労働にも積極的な意義が与えられれば嬉しいのだが(今夜は夜勤だ)……そう問屋が卸さないのが現状である。

小説家の宮本輝は何かのインタビューで「男の二十代はまだまだ子供で、三十を過ぎてようやく大人になる」と言っていた。「三十にして立つ」と孔子も言ったではないか。私にはやりたいことがある。青春の最中だ。物知り顔でフケている場合ではない。今年は独立のための準備に充てて、来年、開業届を提出したい。