A midnight summer of Kitasenju 2019

北千住駅西口。午前2時。私は歩道橋の手すりに凭れ掛かりながら、マッチでHOPEに火を着けて一服した。煙草とそれに加味された香料の華やかな風味が口の中に拡がる。太巻の力強い紫煙の行方を目で追いながら、私は首都 東京の静寂と喧騒を聞いていた。レム睡眠中、激しく眼球が律動するように、街は眠りつつ目覚めていた。その慌ただしさに私は眩暈めまいを覚えた。2019年夏、私は初めて煙草を吸った。