BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

文士と介護福祉士

友達の結婚式のスピーチを担当したら、望外の原稿料を貰った。友達、それも慶事にことづけて仕事を貰うなんて卑怯じゃないかと思われるかもしれないが、駆け出しの頃に友達から仕事を貰うのはむしろ光栄なことなので、有難く事業所得として計上した。世の中、どんなにインターネットが発達しても、最初に事を始めるのは、常日ごろ自然に顔を突き合わせる友人、知人なので、私はこれからも偶然/必然の直接の出会いを大事にしたい。私にとって社会的距離ソーシャルディスタンスは意味をなさない。人々は社会あつまりを必要としているのだ。

来年、精神保健福祉士の課程を受講することを検討していたが、これは撤回することに決めた。東京に居るうちは文士ライターとして頑張りたい。首都の地の利を生かさない手はないのだ。

夜勤をしない/できなくなった時点で、私は特別養護老人ホームの職員としては2級の戦力に過ぎない。少ない給料、少ないボーナスに甘んじるのは仕方ない。10月から週5日で働くことが決まったとはいえ、早急に対策を講じなければならない。私は出版業界への出戻りを狙っていると同時に、介護・福祉業界のキャリアも育てたいと思っている。二兎追う者は一兎を得ず、二足の草鞋は止めなさい、と言われそうだが、本人がそれで矜持プライドを持って働きたいと思っているから仕方ない。介護福祉士の資格を生かして、介護ライターとして転職したい。あるいは個人事業主としてすでにライターなのだから、企業に就職する際は編集者、宣伝/広報担当者でもまったく構わない1。ライターと介護福祉士のキャリアを両方伸ばすには、これが最適解ではないだろうか。現場に身を置くだけが仕事のすべてではないのだ。精神保健福祉士の資格は東京を離れてからで構わない。今は東京の巷間を駆け抜けたい。


  1. ちなみに私には書籍編集者としての資質、才能はまったくない。しかし、WEB編集者は未踏の領域なので、腕試しをしたい。私はコードが書ける。