12月1日付で異動することが決まった。役員は環境を変えて、私の勤労意欲を高めようとしているらしいが、課長は知っている。もはや、私を止めることはできない、と。実際は来年度の新卒入社まで頭数を揃えたいんだと思う。会社の懐柔策にまんまと乗ってしまった訳だ。
とはいうものの、毎日指を咥えて、時が過ぎ去るのを待つばかりではない。年度末までにやるべきことは山ほどある。
執筆
毎日のブログの更新と並行して、ルポ『山谷の基督』を完成しなければならない。そういえば、そんなものもあったな、と読者諸氏はお思いかもしれないが、山谷の基督はまだ生きているのである。ただし、第2節で止まっている。これはどこかの出版社に持ち込む訳ではなく、個人的なポートフォーリオにする。完成した暁は教授に送る。草稿を見せたら、「文章がいい」と褒めてくれたので、その方向で頑張りたい。文体が命である。
小説とルポルタージュの違いについては、近々、論考を発表するつもりだが、私自身は完全なルポルタージュは書けないと自覚している。構成ないし編集している途中で、必ず嘘が入る。
事務
年度末に確定申告をしなければならない。個人事業は粗利が20万円を越えない、否、むしろ赤字だが、副業の訪問介護で少々稼いだので、確定申告をしなければならない。来年、転職した場合、副業で粗利が20万円を越えなければ、年末調整で済むので、楽といえば楽である。ただし、帳簿はつけなければならない。こうして事務作業に右往左往しながら、社会の仕組みを少しずつ知るのだろう。
転職
来年度は編集の仕事を求めて転職する。出版にこだわらずWEBも見ているが、書籍編集者だけは志望から外している。あれは片手間でできる仕事ではない。個人事業主の文士を続けたければ、会社員としてはおのずと、雑誌編集者、WEB編集者に限定されるだろう。個人の仕事と会社の仕事を相発展させるために、転職活動は慎重かつ強気で行いたい。
試練
介護の現場は作家を志す者にとって、劣悪な環境に違いないが、それでも私はみずから書き始めたのは、人生において得がたい経験だった。出版社に勤めて、恵まれた環境にいるにもかかわらず、書きたいと思いながら書けない人はごまんといる。人の子は荒野でキリストになった。私はその事実を身をもって理解した。