BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

rainer Widerspruch

かなしめり。純粋な矛盾を生きている。こういう時は書くに限る。書いて、書いて、己の現存在を忘れること。

放擲していたルポルタージュを書き継ごう。作品の完成を心待ちにしている人は結構いる。下手でもいい。不完全でもいい。疑問、反論の余地を残さない位に書きぬくことだ。

Writer's High.書くことは走ることに似ている。私は走る。やがて、走ることそのものが理想になる。

私は走る。私は逃げる。逃げる? いったい何から逃げるのだ?  現実が私のすがたを捕える前に、それよりも疾く逃げること。グレアム・グリーンは知っていたのだ。書くことは『逃走の方法』なのだ、と。