Arbeit macht unfrei

表題は「労働は汝を不自由にする」。昨日は早番だった。この頃は、介護することそのものが苦痛になり始めている。省みれば、もともと苦痛だったのだが、環境に適応するために、己の正直な感情を無理に押し殺してきたのだ。それが最近、余裕が出てきたことに加えて、かつて経験してきた嬉しい、楽しい思い出を反芻し始めたから、私の生活ないし人生から苦痛を除去しようとしているのだろう。

"Arbeit macht frei".アウシュビッツ強制収容所の門前に掲げられた言葉である。仕事は、労働は、私を自由にして呉れただろうか。解放して呉れただろうか。否、時間と労働を引き換えに私が手にしたのは幾許いくばくの賃金と、自身の内に鋭く感受される孤独と寂寥である。働けば働くほど、私は自身の肉体の牢獄に閉じ込められた。本当の病気と貧困はそこから始まる。社会人として、私は長らくこの痼疾に苦しめられた。

私を真に解放してくれたのは、学問、芸術、宗教だった。その経験の根底には楽しさがある。人々を解放に導く真理と歓喜がある。キリストに付き従うためにペテロは漁網すなどりあみを捨てた。私の人生の鍵は三位一体の中にある。