結社と芸術

昨日、歌会で宮地しもんさんにお会いした際、『山谷の基督』を読み、それを誉めてくださったことに感激してしまった。やはり、こういう機会を貰えるから、結社に戻ってよかったと思う。結社とはすなわち社交のための組織であるが、それに尽きない。短歌に上達したい、歌人として身を立てたい、という理想イデーがある。人々として集まりたいのか、それとも芸術を向上させたいのか、どちらが先かは分からないが、私は単に人々に出会うための組織ならば、帰って来なかっただろう。目的が人間そのものになると、私は疲れてしまうのだ。芸術はそれを作り出した人間を超えることがある。神に近づく、というのは言い過ぎだろうか。少なくとも、人間に奉仕することを辞めるだろう。