BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

孤独のかたち

名刺の印刷を頼もうとして、プリントパックに登録したが、入稿後、5営業日発送の事実を知る。来週、友達が主宰するイベントに間に合わないので、明日、キンコーズ 池袋西口店に依頼することに決める。仕事は余裕をもって行いたいが、ある程度、お尻に火が着かないと、仕事に質量が伴わないので、この性癖は仕方ないと半分諦めている。

中島義道『孤独について』を読了。カント哲学者が同時に深刻なる実存哲学者であることを知る。以前(6年前位)、氏の『「人間嫌い」のルール』を読んだ時よりも、氏の思想/情緒を理解/共感することができ、私は歳を取るごとに彼の孤独の境涯に近づいていることに気づく。世間と世人に煩わされることなく、いかに己の孤独を貫けるかは、各々の仕事と存在の様式を鍛え上げ、磨き上げる他にないのだ。これはミッシェル・フーコーの生存の美学に似ていると思う。

中島氏は哲学者だが、キリスト教、ことに聖書に対して、温かい思い入れがあるのが嬉しい。氏は大学院生の頃、自殺未遂に失敗した。その後、詩篇23章を読んで、

どっと涙が出てきた。不思議なほど涙が止まらない。

何かがわかった気がした。少なくとも、今死んではいけないことが分かった。

このくだりにぶつかった時、私も泣きそうになった。