BOOKMAN

Takashi Kaneko

自由と恩寵

5月も下旬に差し掛かった。6月に入ると、夜のアルバイトも増え、収支がトントンになって、ようやく生活にゆとりが持てるようになった。バーテンダーとしてはまだヒヨッコだが、仕事をひと通り覚えて、酒場を一人で回せるようになった。今後、さらに豊かになるためには、日中の空いた時間を活用して、読書と執筆に励み、ライターとして作品を発表することだ。売れればそれに越したことはないが、とにかく大切なのは、作品を書き、それを世に問うことだ。今月、来月でようやくその基盤が整った、というべきだろう。

この頃は文学に加えて、神学の勉強も始めた。文学は人についての学問、神学は神についての学問と、一応の了解を持ちつつも、両者が互いに高め合う関係を目指したい。私は政治的には自由主義者リベラリストなので、人の自由を最大限みとめつつも、そこに神の恩寵の働きがあることを、創作を通じて示していきたい。