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Takashi Kaneko

蔦屋重三郎展

水曜日は連れ合いと一緒に、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎コンテンツビジネスの風雲児」を観に行った。普通に当日券を買おうとしたら、私は精神障害者保健福祉手帳を持っているので無料。連れ合いはその介助者(同伴者)ということで、無料になった。出不精の私だが、今度から定期的に上野の博物館、美術館に足を運ぼう、という気になった。

蔦屋重三郎(1750-1797)は江戸時代に活躍した出版人・狂歌師・戯作者。大田南畝、恋川春町、山東京伝、曲亭馬琴などの文士の他に、北尾重政、鍬形蕙斎、喜多川歌麿、葛飾北斎、東洲斎写楽などの絵師の作品を世に送り出した。私は家にテレビがないので、観ていないが、今、大河ドラマ『べらぼう:蔦重栄華乃夢噺』を観て、知っている方も多いのではないだろうか。

蔦屋重三郎の事績について、ここでは細かく記述しないが、彼は出版人ながらも、晩年は自らも狂歌、戯作に手を染めた所に、江戸の文人趣味を感じるし、彼の作家/編集者の枠に自らを嵌めない、旺盛なエネルギーを感じる。ただ、狂歌の作品の質は、本業から離れた手すさび以外のものではないので、後に明治時代の文学者が革新・刷新を試みた気持が分かるような気がする。その点、私の心は明治・大正・昭和の近代に在るのかもしれない。

その後、上野で軽く喉を湿らせた後、小岩のJamで連れ合いとしこたま飲んだ。マ、こんな日もあっていいでしょう。

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