BOOKMAN

Takashi Kaneko

サードプレイス

昨日、芝公園の教会の事務所で、広報誌の編集作業を行った後、老人ホーム時代の後輩と有楽町で落ち合い、したたか飲み歩いた。

飲んでいると、私は次第に元気を失くしていったが、後輩がこうして「会いたい」と言って、遠方まで来てくれるのは嬉しいことだ。

飲んでいる最中、彼は折に触れて「繋がりが大事だ」と言ったが、人間が愉快に、元気に生きてゆくためには、本当にそうかもしれない。私は時々、孤独に引き籠る癖があるが、そのような真理を何の衒いもなく、話せる彼を羨ましく思った。

サードプレイスという言葉は、確か、スターバックス・コーヒーのコンセプトとして、世に拡がったと思うが、人々と信仰を共にする教会や、無駄話に興じる酒場も私にとって、サードプレイスである。

ある研究によると、家庭でも職場でもない、第三の場所サードプレイスを持つことは、経済的機会を増やし、結果として、その人の所得を増やす方向に作用するらしい。しかし、損得勘定を抜きにしても、家庭も職場も課題・問題だらけで、今にも崩れ落ちそうな私が、そこからの逃げ場を持つことは、有り難く、召命とも呼ぶべき、今後のちょっとした方向性を感じるのである。