BOOKMAN

Takashi Kaneko

マルス・エクストラ

私は基本的にサントリーのウイスキーが好きだ。ホワイト、角などの廉価帯に始まり、ローヤル、響などの高価格帯で終わる私の飲酒体験は、まるで味覚がサントリー宣伝部に洗脳されているようだが、他のジャパニーズ、スコッチも飲む。その一つが本坊酒造が手掛けるウイスキー、通称マルスだ。

マルス・ウイスキーでは廉価帯でありながらも、高級路線に繋がることを見込んだ、ブレンデッド・ウイスキー ツインアルプス(TWIN ALPS)を、小岩駅前の成城石井で買ってきて良く飲んでいるが、サントリー、ニッカとも違う、コクがありながらもサッパリしている、焼酎のニュアンスを楽しんでいる(本坊酒造はウイスキーの他にワイン、焼酎などを展開している)。

同社のウイスキーの多くは、外国から仕入れてきたモルト・ウイスキーに、自社生産したグレーン・ウイスキーを掛け合わせるブレンデッド・ウイスキーで、近年、サントリーが旗振り役となって提示している、「ジャパニーズ・ウイスキー」の定義に当てはまらないが、これに拘らなければ、同社の蒸留技術とブレンドの巧みを存分に楽しめる。私はもっぱらシングルモルトよりもブレンデッドを好んで飲んでいるので、こういうウイスキーづくりもアリだ。

さて、だいぶ前置きが長くなった。今回紹介したいのは、マルス・エクストラ(MARS EXTRA)。一升瓶に詰められたユニークなウイスキーで、アルコール度数は37%と低めだが、サントリーのトリス、ニッカのブラック・ニッカ・クリアと同じ水準だ。1989年以前の酒税法に照らせば、さしずめ二級ウイスキーといったところだ。なので、一級、特級のウイスキーと比べると、味は少々薄いし、アルコールのキック感は弱めだが、マルス・エクストラは、トリスやブラック・ニッカ・クリアに比べれば美味い。

特にオススメの飲み方は、トワイス・アップ1や少し濃いめの水割りだ。加水すると味が開いて、二級ウイスキーとは思えない(失礼!)、マルス独特のニュアンスが感じられる。総じて廉価帯のウイスキーは加水ないし水割りにすると、美味しく飲める気がする。炭酸ではないのは単に私の好みである。

マルス・エクストラは大ぶりのロックグラスに、トワイスアップにして飲むと、まるで日本酒を飲んでいるような感覚で飲める。和洋問わずに、食中酒としても最適で、冬はお湯割りにして、熱燗感覚で飲むのもいいのではないか。そんな感じでガブガブ飲んでいると、意外にたくさん飲めてしまうので、二日酔いが心配な人は注意が必要だ。しかし、それぐらい懐も器も大きい、美味しいウイスキーということである。

マルス・エクストラ


  1. ベースとなる蒸留酒を同量の水で割る飲み方。