BOOKMAN

Takashi Kaneko

背・肩・腰

バーテンダーのアルバイトをして以来、背中が凝る。カウンターの側でずっと立っている姿勢が悪いのだろう。背だけでなく、肩、腰の調子も良くない。老人ホームで働いている時は、こういう症状はなかった(まれにぎっくり腰はあったが)。現場でたえず歩いていたのが良かったのかもしれない。となると、人間の身体に一番良いことは、立つことでも坐ることでもなく、歩くことなのかもしれない。

老人ホームで働いていて分かったことだが、人間は食べること、歩くことを止めたら、終わり、ということである。これは農耕を始める前は、狩猟採集で生きてきた人間の当然の性なのかもしれない。そうすれば、私の背中が凝って痛いのは、私が単に運動不足なのかもしれない。自宅から最寄り駅までの往復40分では足りない訳だ。

今、机に向かい、背を丸めて原稿を書いているが、このひと時も背中に負担が掛かっていると感じる。ライターにせよ、バーテンダーにせよ、本来の人間の在り方から外れた、身体に悪いことをしているのだろう。ともすれば、結局の所、現代社会で働くことは、総じて、ヒトとしての自らの身体を痛めつけていると言えなくもない。文明とは難しいものである。