BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

鷹の目

サラリーマンになってから、多少、生活が安定したのか、顔と目が穏やかになったような気がする。もちろん、悪い意味である。物書きの目はしばしば「鷹の目」と称される。事物の本質を見抜くための鋭さを備えているのである。四六時中、鷹の目でヤブ睨みされるのは閉口だが、何かを創造するためにはそれ位の緊張感を持たなければならない。『NARUTO』の写輪眼みたいなものだろう。

私も一時期、鷹の目ないし写輪眼を開眼しそうになったが、堕落して駄目になった。目が濁っていると思う。今、私にできることは物書きとしての緊張感を取り戻し、澄んだ目を取り戻すことだろう。そのために3年後、5年後を見据えて、独立の準備をするべきだ。