Entries from 2022-05-01 to 1 month

ドヤ街に歌えば 1

泪橋のあしたのジョー はたして私が山谷に来るのは正しい行為おこないなのだろうか? 私は泪橋に屹立する、あしたのジョーの銅像を前にして、自問自答していた。 南千住の駅を降りると、私は立体交差の歩道橋を越えて、さらに南下した。泪橋1を渡ると、景色…

ドヤ街に歌えば Prologue

寿町のひとびと作者:山田 清機朝日新聞出版Amazon 「兼子くん、うちの学生に何か話してみてよ」と、先生に言われたので、政治学、文学などの文献を当たってみたけど、90分間話し続けるほどの分量に纏める自信がない。居直って短歌を書いたが、韻文では講義か…

戦後短歌ルネッサンス

埃吹く街―歌集 (短歌新聞社文庫)作者:近藤 芳美短歌新聞社Amazon 近藤芳美の第一歌集については諸説ある。『早春歌』と言う人もいるし、『埃吹く街』と言う人もいる。発行日は『埃吹く街』の方が早かったようだが、いずれにせよ、私は後者を近藤芳美の処女作…

事物と情緒

「タバコの時間だな」 以前、煙草屋に勤めていた友達の紹介で、BOHEM CIGAR NO.6(Tar:6mg, Nicotine:0.6mg)を試してみた。 外箱に"containing 30% of fine cigar leaf"と書かれている。葉巻の葉を30%含んでいるそうだ。確かに、軽いのに芳醇である。「淫蕩…

政治文学と基督教文学

市川聖マリヤ教会の聖餐式に参列した。立教大学の礼拝堂チャペルは、新型コロナの感染防止のために予約制を敷いているので、まだ気軽に足を運ぶことができない。その代わりと言っては恐縮だが、地元の教会に積極的に足を運ぶようにしている。大学のチャペル…