麦芽には栄養がいっぱい

ヘミングウェイの『移動祝祭日』の中で、彼が人に勧められた蒸留酒を断るシーンがある。「僕はビール党なんでね」 夕方、読書や執筆をする時にたいてい片手にビールがある。ワインの時もあるが、ウイスキーはほとんどない。何か活動している時に私は強い蒸留…

傭兵のごとく

昨日は帰りがけに、350mlの缶ビールを飲んで、家に帰ったら、そのまま寝てしまった。8時間くらい眠っただろうか。目覚め爽快。この頃の私は酒の力を借りなくても、よく眠れるようになってきた。 最近はじめた習慣として、リュックサックにノートパソコンを忍…

委託

昨日、会社の上司に(進退)について面談したい旨を伝えた。最後は意地の張り合いの様相を呈するのではなくて、今後の私のキャリアビジョンについて静かに語り合うのだろう。私は現場の介護福祉士としてはよくやった。頑張った。ここまで来ると、恨み、辛み…

安定か革新か

昨年1月に始めた訪問介護のアルバイトを辞めた。今まで多忙、過労を理由に退職を先延ばしにしてきたのだが、それでは問屋が卸さないということで、正式に退社したのだ。 私は今までこのブログで介護のことを悪し様に書いているけど、実際、現場に出ると真面…

酒を飲むイワン

ドナルド・W・グッドウィン『アルコールと作家たち』という本の中で、「優れた作家は慎重に飲むことを弁えている」という或る小説家の言葉が引かれていたが、今の私に必要なのは禁酒でも節酒でもなく、まさにこのスキル(やはり、節酒と呼ぶのだろうか)で、…

つむじ風

東京に大寒波きたる。ということで、昨夜はなぜかつむじ風が凄かった。心身ともに疲れ、冷え切った私はウイスキーを飲んでさっさと寝てしまった。この頃は飲み方も定着しており、ウイスキー(1)と水(1)のトワイスアップが定番である。この飲み方だと胃腸…

平行線

芸術上の傑作は、そこに盛られた内容よりも、とにもかくにも生活に打ち克って作品の体をなしたという事実によってわたしたちに慰めをもたらす。だから何より希望の糧になるのは絶望的な内容の作品である。 テオドール・W・アドルノ『ミニマ・モラリア』 私に…

業界予想図2

昨日、聖餐式のあと、会衆委員の丸茂さんが紙袋に梱包された本を手渡してくれた。 「なんですか? これ?」包装紙を透かして見ると、裏表紙には何かのリストが記されてある。資格の本だろうか。 「いいから、あとで開けてみてよ」丸茂さんは含みのある笑みを…

宵待の平和

一昨年おととし頃から職場に馴染みきることができない。職場の同僚と融和することができないのだ。常勤から非常勤に降りて、別の仕事を始めようとしているから、会社と業界に見切をつけている意志は明白なので、当然なのだが、実際に行動に写す前からその萌…

溶けたタマネギ

一昨日、夕食にカレーを作った。材料は鶏肉、ニンジン、タマネギ。ルーはゴールデンカレーの甘口を使った。 大鍋に具材を入れて、30分ほど煮込むと、大まかに刻んだタマネギは概ね溶けてしまった。ニンジンは1袋(3本)を使用したので、鶏肉よりも存在が目立…

シオンの女

腰が痛い。言葉ではいくら福祉と介護を蔑していても、実際に職場に来れば真面目に働くものだ。ただし、労働が激しい分、罪深さと虚しさが残る。潮時に変わりはない。 昨夜、シオンの女むすめが来た。この女むすめという言葉は便利で、娘むすめよりもう少しニ…

The Matter is Pride

昨夜は遅番。軽微なミスが1件。体力はあるが、力がない。要するにやる気がないのだ。介護の仕事に対してモチベーションが起こらない。利用者からの大衆的な人気を博しているが、それは介護とは別の現象である。 持病を含めて様々な理由で、介護の仕事から徐…

麦酒と覚悟

夜半、目が覚める。思い出したように、冷凍庫に冷やしておいた、トスカーナ地方の白ワイン POGGIO AL SALE を飲む。清涼かつ淡麗。飲み方を工夫すれば、コンビニで買ってきた、600円相当のワインでも十分楽しめることを再確認した。 一昨日、歌会のあと口寂…

東京よ 私は帰ってきた

©Bandai Namco Filmworks Inc.">東京よ、私は帰ってきた!©Bandai Namco Filmworks Inc. 昨日は塔 東京歌会の新年初めての歌会があった。場所は新橋。私は立教学院諸聖徒礼拝堂の聖餐式の後に参加した。 私は約5年ぶりに歌会に参加した。塔の東京歌会は、以…

歌うたのしさ 読むよろこび

『塔』2023年1月号が届く。約5年ぶりの再会である。ちょうどその頃に任意団体から社団法人に組織変えしてからは、誌面づくりがいよいよ洗練されているように感じる。その発送用封筒には「歌うたのしさ 読むよろこび」と記されている。今後、全国の歌友たちと…

活動家 アリョーシャ

悲しみのうちに幸せを求めよ。 ——ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 私がまだ大学院に居た頃のことである。ゼミで『カラマーゾフの兄弟』が話題になった。その時、先生はぽつんと言った。「続篇では、アリョーシャは皇帝を暗殺するかもしれない、とい…

ワレ東京ニ帰投ス

塔短歌会の幹事の方に、詠草をメールで送った。1/15に新橋で歌会をするので、そこで議論の俎上に載せる一首を提出したのだ。 およそ5年ぶりの歌会への参加。かつての私は青白い顔をした文学青年だったが、今では血色のよい文士に変貌しようとしている。よう…

包丁を握る

普段、私はほとんど料理をしない。御飯を炊いて、納豆と卵をかけるだけである。 しかし、人と付き合って、その人が家に遊びに来るようになると、意外に料理をするのである。安上がりなのにたくさん食べられるのが動機としてあるが、その他に他人ひとの目を気…

出版からWEBへ

表題は何を今更という感じがするが、今回の転職活動では出版業界ではなく、WEB業界を第一志望にすると思い定めた。すると、希望の職種はWEBライター、要するにWEB媒体を専門に書くライターに焦点を絞ることになった。 今まで書籍、雑誌など、紙媒体に拘って…

階級の恨み

介護について書きたい。というよりも、介護について社会学したいと思ったけれど、これについて具体的に書くと、カドが立つので、今回は抽象的なレベルの話に留めておく。こういうことは普通、その出来事が生起している場所から身を引いて、しばらく経った後…

反攻の年

元旦。私は相変わらず立教大学のチャペルに居た。聖餐式の5分前、隣の会衆委員の丸茂さんが「今年は兼子さんにとって、飛躍の年になりそうですね」と言った。私は合掌し、左右の親指を交差させて言った。「然りアーメン」 実際の新年の私は精神的エネルギー…

紫煙と決意

大晦日。私は相変わらず老人ホームで働いていた。勤務中、後輩のNくんが「兼子さん、この後お時間ありませんか?」と訊いてきた。私はてっきり、彼が最近吸い始めた煙草について、一緒に紫煙をくゆらしながら語り合いたいのかと思った。「いいよ。でも、竹ノ…

SpeakEasy

自宅がサロンのようになっている。今年の初めの頃だろうか、会社の総合職を降りて、個人事業主として独立した頃から、友達が家に遊びに来ることが増えた。だいたい酒を飲んだり、煙草をくゆらせて過ごすのだが、冗談の中にも真面目な会話があり、その一瞬の…

旗日を忘れし人

旗日のない生活をして久しい。キリスト教徒になって、クリスマスと正月は奪還したけど、他は以前として祝日の感覚がない。とまれ、私は先に「旗日」と書いたが、私は国家が恣意的に制定する祝日に対して関心がないので、この状態でも特に不都合はない。 政治…

枯草

今年、すべての力を使い果たした。あとは慣性で仕事をする。 来年、転職活動で好調なスタートを切れるように、今年中に仕込みをしておく。履歴書と職務経歴書はもちろん、転職サイトのポートフォーリオのメンテナンスもしておく。 転職先で重視するのは、年…

特権的瞬間

未だ低空飛行を続けている。申し訳程度に短歌は書いているし、作品のクオリティはそこそこ担保している。しかし、いかんせん生産高が少ない。これぐらいの作歌のペースだと、毎月結社誌に詠草を提出し、歌会に参加していると、すぐに顎が出る。今こそ歌人と…

クリスマス・イブ

日本でクリスマス・イブといえば、世間的には恋人あるいは家族と仲睦まじく過ごすとされているが、私にそのような習慣はない。幸いにして、私はキリスト教徒なので、教会に行き、キリストの生誕を祝うが、今年は喜びよりも哀しみの方が大きい。大部、自分勝…

フェミニスト

この頃、文体が崩壊しつつある。理由は何であれ、壊れれば、壊れるに任せればいいし、持ち直せればそれに越したことはない。しかし、大切なことは、まるでハミガキをするごとく毎日書き続けることである。そうすれば、自ずと、自分の才能に気づいて、案外、…

師走の候

コロナとの戦いで、長時間ストレスに曝されているせいか、同僚たちのお腹の調子が悪い。防護服を脱ぎ、下腹部を抱えてトイレに駆け込む姿が目立つ。私もなんだか胃がムカムカする。終業間際に上司の吉野さんが言った。「いつまでこれが続くんすかね」 365日…

rainer Widerspruch

我愛かなしめり。純粋な矛盾を生きている。こういう時は書くに限る。書いて、書いて、己の現存在を忘れること。 放擲していたルポルタージュを書き継ごう。作品の完成を心待ちにしている人は結構いる。下手でもいい。不完全でもいい。疑問、反論の余地を残さ…