Entries from 2020-08-01 to 1 month

維持療法

一時期、頓服にしていた抗精神病薬のジプレキサ(オランザピン)を、今週は毎日、眠前に飲んでいる。1T 2.5mgである。躁鬱病の治療としては容量が少ないから、一応、寛解し、予防のための維持療法に移ったと言うべきだろう。以前、症状のひどい時はジプレキ…

執念と諦念

夜勤明け。特に辛いことがあった訳ではないのに、酒を飲まずにはいられなくなる。おそらく、酒を飲むことで、自身の心と体に溜まった澱のような疲労を洗い流したいのだろう。 まずはビールで喉をしめらす。冷蔵庫にキリン・一番搾りが冷えている。もちろん、…

ハリー・ハラーの秘薬

12時間くらい眠った。 昨夜は寝しなにビールを1本(500ml)、ウイスキーを2ショット、それと抗精神病薬のジプレキサ(2.5mg)を1錠飲んだ。普通、酒と薬の飲み合わせは禁忌なのだが、度が過ぎなければ、という条件つきで、ほとんどの薬剤師と精神科医が暗に…

失われた感覚を求めて

私が高校生の頃、父が会社で払い下げになったパソコンを自宅に持ち帰ってきた。IBMのThinkpadだ。Windows98がインストールされていた(ヴィーンチャラランという起動音は今でも最高にクールだと思う)。そのパソコンを私は大学4年生(2009年)まで使っていた…

サイレースを飲んでいた頃

眠りたくても眠れない——。執拗な不眠症の症状に苦しめられたのはいつだろうか? 25歳の頃のことだ。当時、取引のあった広告代理店から無理な要求があって、急遽、新聞に出稿する広告版下を、私が作らなければならなくなった。前日、徹夜していたにも関わらず…

郊外生活者

夜の勤めを終えると 僕は朝日を浴びて 駅に向かう 丁寧に髭を剃り 髪を几帳面に梳かした 自転車を漕ぐ勤め人 糊のきいたシャツに袖を通し 顔に薄くクリームを塗った 女子高生 徹夜の労働で 汗と脂にまみれて 眠たい目をこすり 腹を空かせて 重い足どりで歩く…

東欧巡礼

中村真一郎は大学でフランス文学を講じていたにも関わらず、外国に行くのが遅かった。彼が初めて外国を、憧れのヨーロッパの地を踏んだのは50を過ぎていたと思う。その原因は青春期は日本が軍国主義と戦争で、出征する以外に海外に行くことができなかったし…