Entries from 2022-03-01 to 1 month

福祉レボリューション

第34回 介護福祉士試験に合格した。受験資格には3年間の実務経験が必要だから1、私は叩き上げの一人前の介護士として認められたことになる。私は介護の専門家になったのだ。 思えば3年前、厚生労働省(ハローワーク)の職業訓練プログラムで、介護初任者研修…

場所と才能

どこに住めば仕事ができるのか? 収入が増えるのか? 才能が開花するのか? 30歳の頃の私はそのような現金な問いをえんえんと繰り返していた。 経済学や地理学、あるいは地政学の本に感化されたのではないか、と思われるかもしれないが、私の場合は文学だっ…

小説の生理学

吉行淳之介全集〈第1巻〉全短篇1作者:吉行 淳之介新潮社Amazon 花の小説家 吉行淳之介について、このブログでも何度か書いているが、彼の作品について書くのは、今回が初めてである。彼について言えば、私の中で或るイメージが先行している。NHKの連続テレビ…

巴里の憂鬱

パリに終わりはこない作者:ビラ=マタス,エンリーケ河出書房新社Amazon 人はなぜ街に来るのか。また、人はなぜ街を去るのか。街は古今東西、人々が往来し、際会する場所であり続けた。数多あまたの世界都市の中でも、パリはひと際、その役割が顕著だった。こ…

精神障害者保健福祉手帳

本日、精神障害者保健福祉手帳を取得した。 等級は3級。申請の際に提出する主治医の診断書は読んでいないが1、診断名は双極性障害(躁鬱病)である。気分障害の一種だ。痼疾、宿痾、持病など、日本語には「不治の病」の表現はいろいろあるが、その人を苦しめ…

肉体の地獄

「落ちる所まで落ちたから、あとは昇るだけよ」 職場の看護師はそう、沈鬱な表情を浮かべている私を励ましてくれたが、ふと、ある疑問が浮かんだ。 人間はどこまで落ちることができるのか。もし、奈落あるいは地獄という場所があるとすれば、それはどこにあ…

懦弱と自由

数日間、ブログを更新していなかったけれど、けっしてブログのことを忘れていたのではありません。他にライティングの案件があり、それに注力していたら、書きそびれてしまったのです。単価は低いのですが、継続してご依頼いただけているので、有り難いこと…