書き入れ時

山のような洗濯物を
腕を組みながら見ていた
恋人がほしいとここで
思っちゃいけない
レンタルビデオは二日延滞
持ち帰ってきた仕事も
スピルバーグみたいに最後は
奇跡をおこしたい

槇原敬之「SELF PORTRAIT」

この頃は珍しく忙しくしていて、週末、会社の仕事を家に持ち帰って作業を続けている。

取材はもう終わっているので、出歩く必要はないのだが、少し長めの記事なので、腰を据えて書かなければならない。文章を書く時はいつも様々な思いが去来する。「もう駄目なんじゃないか」という思いと、「なんだまだまだ行けるじゃないか」という思いである。登山、あるいは長距離走をしている感覚に似ている。執筆は知力と体力の勝負である。ゆえにライターはアスリートなのだ。たくさん書くにはその分食べて、筆力に換えなければならない。文豪に健啖家が多いのはそのためである。

しかし、この頃の私は太ってきたし、体調を崩すことも多い。相当に節制しなければならないが、まだまだ働きが少ないのだろう。

友達にKindleに作品をアップするように勧められた。もちろん、私は紙の書籍を愛しているし、電子書籍と呼ぶことさえためらわれるのだが、作家として作品を纏めて発表することは大切なことだ。将来、気の合う友達を集めて、編集企画をするのもいいなと思うこの頃である。