シンプル・イズ・ベスト

肉体労働で鍛えられたのか、去年に比べると、心身はたくましくなっているが、それでも、1ヶ月に6日ほど夜勤をこなしているので、生活リズムは不規則である。依然、躁鬱の波は消えていない。それに近頃は気軽に酒を飲んでいた(酒、すなわち、アルコールは躁鬱を招く薬である)。私と躁鬱病の戦いはまだまだ続きそうである。そのためには適切な薬物の力が必要不可欠である。

私のいまの処方箋は、抗精神病薬として、オランザピン(商品名:ジプレキサ)とクエチアピン(商品名:セロクエル)、睡眠薬として、ゾルピデム(商品名:マイスリー)の3種類である。普段は就寝前にオランザピンとクエチアピンを飲んでいるけれど、夜勤明けは案外眠れないので、頓服として睡眠薬を飲んでいる。私が精神科に通院して2年間はたつだろうか。試行錯誤の結果、このブレンドにたどりついたのである。躁鬱病の治療には、普通、気分安定薬が使われることが多い。私も一時期、ラモトリギン(商品名:ラミクタール)を飲んだが、効果が実感できないので、やめてしまった。処方箋の内容を見ると、まるで統合失調症を患っているように見える。統合失調症躁鬱病では病相も病前性格も異なるように言われているが、実際は両者は遠くて近い関係にあるのだろう。

最近は比較的、症状が軽快してきたので、オランザピンだけで様子を見ることがある。その日の体調に応じて、他の薬剤を追加するが、基本はオランザピンである。薬をカクテルにするのではななくて、単剤による治療が現在の医学の理想である。患者と医師の経験が処方箋をシンプルにするのである。