BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

半錠の睡眠薬

酒にめっきり弱くなった。いや、むしろ、飲めなくなったと言うべきかもしれない。以前は泥酔が基本で、ヘベレケになるくらいまで飲んでいたのだが、近頃は微酔で終わる。ワイン1杯、ウイスキー1杯でごちそう様である。

酒が飲めなくなった最大の原因は、胃腸、食道、精神に不快な症状が現れたためであるが、他に原因を探ってみると、抗精神病薬ジプレキサ(オランザピン)を毎日、コンスタントに飲んでいることが考えられる。以前、私はこの薬の強力な鎮静、催眠作用が嫌で、頓服にしていたのだが、断薬するとすぐに不眠の症状が出現し、それに加えて、アルコールの摂取量も増加の一途を辿るので、負の連鎖に陥ってしまった。結果、毎日、薬を飲んだ方が便益が高いと判断して、今は毎日、服用している。すると、睡眠時間にバラツキがあるが、毎日、眠れるようになった。

昨日、昼食の際に職場のナースと話していたのだが、交代勤務の彼/彼女たちは睡眠薬を飲むことが多いと聞く。休憩時間中にひと眠りするために割って飲むこともあるそうだ。私は今後、生活の必要に迫られて、どのような仕事、どのような職業に手を染めるか分からないが、規則正しい、平和な生活は望むことができない。毎日欠かさず薬を飲んで、今から身体を慣らしておきたい。