故障と慈愛

6年間使っている愛用のノートPCの「A」の文字のキートップが外れる。これは脱臼みたいなもので、一度外れると癖になり、二度と元には戻らない。今朝もこれで2回目だ。人間の怪我や病気と同じく、機械の故障もこんな感じに気長に付き合って行かなければならないのだろう。これはこれで、存在ものへの労わり、慈しみを伴う、人間らしい心理だと思う。昨今の消費者の完全無欠ないし無傷を求める志向は、非現実的であると同時に未熟であると切に感じる。

アリピプラゾールを6mgに増量すると、比較的睡眠時間が長くなったような気がする。睡眠の質、量が総じて向上した。主治医はたぶん、12mgまで増量すると思うが、QOLはむしろ向上するだろう。先日、友達に「薬に頼ってはいけない」と言われたが、別に依存している訳ではなく、降圧剤のごとく、体質と症状に応じて飲んでいるだけなのだから、特に恥ずかしく感じる必要はない。むしろ、この頃、精神障害者に対する社会の差別を肌で感じて、当惑することが多い。個人の実力で捻じ伏せればいいと思っていたが、一度、カミングアウトすれば、就職と昇進に確実に支障を来たす。病者は己の生存戦略を確保するべきだ。