濃い味

4時。早朝のオムツ交換が終わる。利用者50名に対し、職員3人がかりである(通常は2人)。約1時間かかったが、失禁、便失禁などはなく、総じて順調である。

5時。離床介助と言えば聞こえはいいが、利用者を起こして、食堂に誘導する。夜勤で私はこの時間が一番好きだ。冬なので遅くなったが、窓からは曙光が見えるし、時間に追われつつ、全身で肉体労働に従事していると、アドレナリンが噴出してくる。疲労を、寝不足を、いっとき忘れることができるのだ。ホールの見守りは上司に任せ、新人と連携して無事に全員起こすことができた。

7時。早番と交代する時間である。手持ちのPHSを渡す。事務所にたどり着くと、たまらなく濃いウイスキーが飲みたいと思った。思わず口にしたので、先輩に笑われた。

9時。関屋駅前の〈雑賀屋〉でカツ丼の特盛りを頼む。入口前のテーブル席に腰を降ろす。冬のひんやりとした空気が寒くも心地いい。かっこむ。カツとご飯を交互にガツガツ食う。濃い目の味付けだが、汗を流して塩分が不足している私にはちょうどいいと思った。