新型コロナウイルスの流行を契機に、医療、介護など、福祉の現場に従事する人々を「エッセンシャルワーカー」と呼んで、尊敬しよう、応援しよう、という向きがあるらしい。昨今のコロナ禍では、先述の呼称以外に、「ソーシャルディスタンス」とか、「ロックダウン」とか、聴き慣れない外来語(?)が流行し、行政の政策担当者から、テレビのアナウンサー、雑誌のライターに至るまで、本当にその概念を理解しているのか、いや、そもそも真面目に理解する必要があるのか、と訝しみたくなる。例えば、普通、
約2年間、私は老人ホームで介護の仕事をしている。先の二度の緊急事態宣言下でも、営業禁止はおろか、時短営業もなく、所定の労働に従事して、給料と賞与を貰うという、今までと変わらぬ日常を続けていた(マスク、さらにはフェイスシールドの着用を義務付けられたが)。この期間は、よく働いた、あるいは(行政と市民社会に)働かされた、という印象がある。人間の再生産に関与している。その意味で、私は
仕事柄、人間の死に目を何度も見てきた。しかし、人間の
私はエッセンシャルワーカーになりたくない。