本業と副業

10月の給与が振り込まれた。手取18万円也。週5日フルタイムで働いてこの程度なのだから、もう見切りをつけるしかない。「ライターの仕事が軌道に乗るまで、うちで働ければいいじゃないですか」と同僚は言ってくれるが、数年間この生活を続けていれば、生計は破綻するだろう。来年ふつうに就職するべきだ。

出版社に就職すると自然、編集の仕事を任されるようになるが、そうなると、今の個人事業の文筆の仕事は立ち行くのか心配になるだろう。結論から言おう。両立可能である。並行して続けられるし、むしろそうすべきである。

経費を差し引いた粗利が20万円を越えなければ、確定申告をする必要もない。就業先の年末調整で完結するのである。そうなると、副業は楽なものだ。——今、「副業」と書いた。実際、会社に就職すると、会社の仕事が本業になり、個人の仕事が副業になるだろう。それは実態として、今とさして変わらない。しかし、副業でも仕事は仕事である。文筆の仕事は続けることができる。編集者と文士は両立するのである。就職しても、私は作家になる道を諦めなくていいのだ。