BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

タラント

老人ホームの介護職から業界新聞の記者に転身して、7ヶ月が経つが、ようやく仕事を覚えて、楽しくなってきた。この頃はブランケット判の8頁中、6頁と7頁を任されているので、執筆に加えて編集することが増えた。悩みは尽きないが、楽しみも多い。記事ネタを探すために、休日、取材をすることも厭わなくなった。マックス・ウェーバーが指摘しているように、新聞記者ジャーナリストは政治家と並んで特権的な職業なのだ。媒体メディアを持っているから、大抵の所は通してくれる。

しかし、これで満足する私ではない。40を過ぎたら、小説家ライターとして立つために研鑽を積んで行きたい。神学、哲学、政治学も並行して勉強していくが、私の専門は何かと問われれば「文学」と答えるだろう。その意味で私は伝道者エヴァンジェリストとして、イエス・キリストの教えを広めながらも、世俗の思想家として聖堂に留まらず、巷間を練り歩くだろう。先日、聖書の読書会で『マタイ傳福音書』25章14-30節を読んで、感じ入る所があった。己に与えられた少ない才能タラントを用いて、この世の生を全うしたい。

凡て汝の手に堪ふることは力をつくしてこれを為せ

『傳道之書』9章10節