BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

副業

今日、会社の給与明細を見たら、やっぱり、まだまだ低いなあ、と感じる。特別困窮はしていないし、殊更に遊ぶ金は欲しくないが(むしろ、酒場から足を洗いたい)、このままで良いです、とは間違っても言えない。

かといって、転職、独立が第一選択肢に入る訳ではない。仮に今の会社の編集部から他所に移ったとしても、仕事の内容は大して変わらない。執筆と編集である。せいぜい仕事の質量が相対的に変わるだけである。賃金はそれに比例する。さすがに書籍編集者になると、編集がメインになるが、私は文章を書かないとイライラしてくるので、今後職種を変えることはないだろう。今の編集記者の立場がベストである。

独立も選択肢に入るが、いま脱サラしてフリーの文筆家になると、確実に生活が困窮するので、それは避けたい。またその場合、当面の生活を支えるためにアルバイトをする必要があるが、慣れない仕事に手を染めるとストレスが溜まるので、それは良くない。老人ホームで介護をしていた4年間で骨身に染みて分かっているはずだ。「苦手なことは敢えてする必要はない」。

昼間は新聞社で記事を書き、深夜は自宅で小説を書く生活様式が、今の私に相応しいようだ。