私の出エジプト記

新聞記者ジャーナリストをいつまで続けようか、と自問自答するが、「出来るだけ長く」というのが私の回答である。有難いことに会社では貴重な戦力の一人として認められ、重宝されているし、小説家ライターとして立つ前に、まずは皆の期待に応えたいと思う。しかし、私の新聞記者としての働きが微妙なのは、私の文学趣味のせいだと思われるが、そもそも文学趣味なければ、新聞・出版業界に居ないので、そこは自信を持っていい。白状してしまえば、文学とキリスト教がなければ、私は介護・福祉業界を脱出することはできなかっただろう。あの頃の転身の鮮やかさは、イスラエル民族の「出エジプト記」に似ている。「あの頃」と書いたが、私が老人ホームを脱してからまだ1年経っていない。けれども、ずいぶん長い道のりを歩いたと思うし、充実しているのか時間が経つのが凄く遅いのである。文学と宗教が私を救った。ゆえに、私はあの労働と病苦の日々と、それからの始まりアルファ終わりオメガとしての洗礼・堅信を常に記念/祈念しているのである。