奇蹟と恩寵

昨夜、経済産業省主催のとあるイベントに行ってきた。独自取材ではないのが瑕だが、年が明けて、個人、団体の活動がようやく活発になってきたこともあり、ようやく普通に取材できるようになってきた感じだ。世の中にはいろいろなタイプの新聞記者がいるが、介護業界の新聞記者は総じてノンビリしている。

このブログに何度も書いているが、精神保健福祉士の資格を取得する選択肢を捨てきれない。私は介護現場から足を洗ったが、今でも介護福祉を取材し、それを飯のタネにして記事を書いている以上、広い意味で介護業界に携わっているのだろう。新聞記者として頑張れば頑張るほど、介護福祉に貢献したいというのは面白い構造である。

私などは文学好きの人間に思われている節があるが(さすがに純文学には見られないだろうが)、実際の私は案外、ビジネス寄りの人間である。『シルバー新報』に連載している「福祉起業家列伝」はその成果である。どうして私は起業家に関心があるのか? それは単純に金を稼ぎたい、自分の思い通りに仕事をしたいというのがあるが(ゆえに私は余り民主主義的な人間ではない)、それ以上に人々と事業を興したいという気持がある。37年生きていて、ようやく分かったことであるが、人は一人の力では大したコトを為すことはできない。人々を巻き込むことで、ようやく仕事は形になり、この世界に奇蹟を遺すことができる。その意味で私のビジネスに対する考え方は、私のキリスト者としての在り方にも通じている。信仰はどこまでも一人きりの孤独な作業であるが、それを維持・成長させるには、人々と神の恩寵めぐみが必要なのである。