最近は日付が変わる頃に寝て、3時か4時くらいに起きている。ショートスリーパーを気取っている訳ではない。原因は分かっている。抗精神病薬のアリピプラゾール(エビリファイ)の抗鬱作用が引き金になって、早朝覚醒を促しているのだ。例えば同じ抗精神病薬でも、以前処方されていたオランザピン(ジプレキサ)は鎮静作用、抗躁作用が強く、就寝前に飲むと、正午過ぎまで昏々と眠り続けることができる。精神疾患の治療において採るべきアプローチは大きく二つに分かれると思う。精神病理学と精神薬理学である。前者は患者の病気に対する向き合い方、生き方の問題を看るのに対し、後者は患者の薬物に対する反応を看る。精神病理学はカール・ヤスパースを祖とするので、現象学的アプローチと呼ばれ、実存哲学をかじったことのある私は、そちらに対して
サミュエル・ベケットの『モロイ』の一節を思い出す。「今は安らかに眠っているが、君にもやがて眠れない夜が来るだろう」