反攻の年

元旦。私は相変わらず立教大学のチャペルに居た。聖餐式の5分前、隣の会衆委員の丸茂さんが「今年は兼子さんにとって、飛躍の年になりそうですね」と言った。私は合掌し、左右の親指を交差させて言った。「然りアーメン

実際の新年の私は精神的エネルギーが枯渇した、脱殻のような存在である。体力的には疲れていないが、精神的に参っている。創作に気を回す余裕がないのかもしれないが、これを辞めたら、凡夫の私には何もいい所がなくなるので、死ぬまで続けるしかない。創作者の死はその人から光輝かがやきを容赦なく取り上げる。

短歌は再び書ける予感がある。しかし、創作と併せて研究も進める必要がある。今、北原白秋を読んでいるが、大して響かなかった。これなら若山牧水の方がいい。私はそこまでの理論家ではないが、純然たる感覚派は苦手なようだ。近藤芳美と塚本邦雄に向かう必要性を感じる。

小説は何とか歴史小説の短編を書けそうだが、もう少し情報と身辺を整理してからの方が作品に集中できそうである。今年は短歌と小説を集中的に書くが、後者は特に習作をバンバン発表したい。ブログはそのための媒体にしてもいい。作品の品質がある程度保証できるようになったら、Kindleの電子書籍として、作品を出版、販売する。いわゆるKDPと呼ばれるセルフパブリッシングである。そのためにHTML/CSSを本格的に勉強する必要がある。TeXの知識ももう少し深化させる必要があるようだ。今度、池袋を訪れた際にジュンク堂の技術書の棚を覗いてみよう。文学と併せて、技術の勉強も同時に進めること。

等々、今年は個人事業主としての飛躍の年なので、転職先はそこまで真剣に考えていない。もはや出版業界にこだわっていない。然るべき収入と時間が確保されれば十分である。会社の業務は私の創作を下支えしてくれればそれでいい。否、むしろ邪魔立てさえしなければそれで十分である。2023は反攻の年である。