ネズミを掴む

転職してから、首と肩が痛い。前職では背中と腰を酷使して、腰の捻挫(ぎっくり腰)も何度か経験した。まあ、何の仕事をしても、どこかしら痛いのね。これはもう割り切るしかない。

しかし、この頃は右肩が妙に凝ったり張ったりする。これはアレだね、ネズミのせいだね。自宅でパソコンを操作するときはいつも、タッチパッドだけど、会社だとデスクトップPCなので、ネズミの使用を強いられる。ネズミに対して、これといった恨みはないけれど、何か操作をするたびに右手がホームポジションから離れるので、作業効率は悪いと思う。

アスリートを引退した今でも、毎日ダンベルを振り回しているから、普通の人よりも鍛えているし、筋肉もあると思うんだ。でも、たかがネズミを掴まえるだけで、私の右肩が破壊されるとは……。普段、慣れないことをやるのは、案外、負担が掛かるものなのね。

しかし、ネズミに対する愛着は人一倍あるのよ。私は普段、マウスコンピューターのPCを愛用しているし、これからも使い続けるだろう。品質に関して「?」と思うこともあるけど、安価だし、修理などのサポートも充実しているから、今後、リンゴに乗り換えることはまずないだろう。Linuxのデスクトップ環境はシンプルなのにかゆい所に手が届く、汎用性が高いXfceが好きだし、OSはこれをデフォルトで採用したXubuntuが好きだ。ネズミのロゴが可愛いんだ。実用性も高い。思えば、開高健の小説『パニック』も、ネズミが主人公の小説である(人間も語りべとして登場するが、やはり、本作の主人公はネズミと見るべきだろう)。

と、私とネズミの浅からぬ縁を語ったが、たとえば横丁で、ドブネズミの走る姿を見かけても、これといった感興は起きない。マ、それでもネズミくん、これからもひとつよろしく頼むよ。