広報の可能性

独立起業の業態を一晩かけて考え直した。

精神保健福祉士の資格を取って、事務所を設立し、相談援助・カウンセリングを請け負う考えは棄却した。まず、資格を取るのに金と時間が掛かりすぎる。その後、企業の請負ではなく、独立して事業を営むためには、顧客のためにプライバシーに配慮した事務所を開設しなければならない。ランニングコストが高いと見積もった。

次に考えたのが広報編集企画だ。

編集企画はもともと考えていたが、実態は私が一人で執筆・編集する一人編プロだ。もちろん、そこで悲願である小説を書く訳だが、事業の成否が私の筆一本に掛かっているというのはかなり心細い。その心境に耐えるというのが作家と言えばその通りだが、現実問題として食っていかなければならない。副業(本業?)で長時間・低賃金のアルバイトをするのは不快だ。現実的に利益を出す仕組みを考えなければならない。

そこで検討したのが広報だ。私は今、専門紙の記者をしているが、時折、フリーランスで企業の広報の請負をしている人を見かける。その多くは女性であり、業界のちょっとした闇を感じる場面があるが、私がオヤと思ったのは、特定の業界の問題に広報という手段でアプローチしている男性にオンラインで取材した時だ。

新聞記者をしているので、そこにニーズがあるのは知っていたが、それに対して然るべきアプローチをすれば利益が出ると知った瞬間だった。「私もやりたい」と思った。以来、私の関心は執筆・編集に留まらず、広報という営業に限りなく近い分野に向かい始めた。