BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

紙つぶて

9月に入ってから毎日ブログを更新している。そのおかげで、少ないながらもアクセス数は伸びているのだが、9/12に「バックヤードの一角」をアップしたのを頂点にして、アクセス数が激減してしまった。私は別にこのブログで金稼ぎをしている訳ではないのだが、アクセス数という客観的数値はブログを含むWEB媒体の流通を測るための客観的指標なので、無視する訳にはいかない。私も自分が書いた文章をたくさんの人に読んでもらいたいと思うし、そのために最大の努力を尽くしたいと思っている。出版における発行部数と同じように、WEBにおけるアクセス数は著者の心を深部で捕えるのだ。苦心の文章をアップしても思うようにアクセス数が伸びないと、世間から理解されていないのではないかと思う。それは明らかに依存性、中毒性があるのだ。

はてなブログには、はてなスターという機能がある。はてなのコミュニティーで流通する、ブロガーの訪問の足跡、交流の証のようなものだが、私はこの機能を数日前に停止した。それでもアクセス数には大した影響がないと見ていたし、今まで懇意にしていた方々のブログには変わらずはてなスターを残していたのだが、やはり、たくさんの人、特にはてなブログのユーザーの読者を増やすためには、はてなスターは必要な機能だと判断した。はてなブログのトップページには、そのブログに付されたはてなスターの数を併せて紹介しているように、運営側、株式会社はてなにとって、この機能は欠かせない機能なのだ。郷に入れば郷に従う。これで決まりだ。

しかし、それでも思う所がある。私がはてなスターの機能を一時停止したのは、やはりそれがブログを続ける上で桎梏と感じたからだ。アクセス数は非人称的な指標だが、はてなスターは人称的な指標である。それは励みになることもあれば、時に苦しくなることもある。傷の舐め合いではないかと思うこともある。それでも私がこの機能を復活させたのは、ひとえに読者を獲得するために有用だと判断した為である。冷ややかに思われるかもしれないが、はてなブロガー同士のイタワリなどではない。誰かに褒められたい、認められたい、という気持は文章を書く動機として大いにある。しかし、それが前景に来ると、書き手の純粋な思考が阻害される恐れがある。純粋な思考とは何か? それは世界に紙礫かみつぶてを投げつけたいという純粋な欲望である。それは革命に似ている。そう、書くことは革命なのだ。読者を獲得するために私は手段を選ばない。書き続けるのだ。