BOOKMAN

Takashi Kaneko

キリスト者 パスカル

第1部。神なき人間の惨めさ。

第2部。神とともにある人間の至福。

——

換言すれば、

第1部。自然が腐敗していること。自然そのものによって。

第2部。修理者が存在すること。聖書によって。

パスカル『パンセ』

この頃はライティングの業務委託の仕事もほとんど辞めてしまい、自宅で暇さえあれば本を読んでいる。神学書、哲学書、文学書など様々であるが、パスカル『パンセ』は前述のどのジャンルにも当てはまらない、きわめてユニークな試論エセーである。

『パンセ』はパスカルの信仰告白の書であると同時に、イエス・キリストの正しさを証しする、護教のための書物である。数学者パスカルは晩年に学問の虚しさを悟って、宗教に走った。キリスト者パスカルの誕生である。

『パンセ』では、この世に棲んでいる人間がいかに貧しく、弱く、醜いかが繰り返し説かれている。世界と自然は腐敗し、病んでいる。彼等が救われるためには、イエス・キリストの執りなしによる、神の恩寵(愛)が必要なのだ。

初秋の季節、パスカルの著作を読み進めながら、私は徐々にこの世から隠遁したいのである。