BOOKMAN

Takashi Kaneko

テキーラ

私の飲酒体験は、主にウイスキー、ジンなど、ケルト地方の蒸留酒スピリッツを中心に構成されてきたけど、この頃はテキーラを好んで飲んでいる。今までアメリカ大陸、特に南米のそれは違う宗教のごとく毛嫌いして来たけど、飲み慣れてみると、案外、美味であることに気づいたのである。

テキーラはリュウゼツラン(Agave)という多肉植物を原料に作られている1。収穫後、発酵、蒸留の過程を経て、樽で熟成していないものはブランコ、2ヶ月以上、寝かしたものはレポサド、1年以上寝かせたものはアネホと呼ばれる。フレッシュ、マイルド、メロー、いずれも好みは分かれるが、レモン、ライム、オレンジなど、柑橘と合わせると美味しい。カクテルの材料としても大活躍する。

先日、小岩の酒屋 やなぎやで、サウザ シルバー(ブランコ)を買ってきた。ストレートでもピリッとした辛口で美味しいが、トニックウォーター、オレンジジュースで、割っても美味である(このブログを書いている間も、テキーラ・オレンジを飲んでいる)。一般的に先の二つの飲物は、ジンの割剤にすると、ジュニパーベリーの風味が立つので、カクテルの定石とされているが、テキーラをベースにしてもなかなか美味い。

かつて、私はテキーラの植物味のある、青臭い風味が苦手だったが、飲んでいるうちにそれも慣れてしまった。お酒の本来の味に気づいたのか、それとも私の舌が馬鹿になったのかは分からないが、確実に言えることは、今勤めている酒場バーがテキーラを推しているので、その影響を如実に受けたことである(お店のお酒はお客様が飲むためのものである)。

Sauza Silver


  1. この記事を書く前、私はアガヴェ(Agave)を、神の愛しみを意味する、アガペー(Agape)と同義だと思っていた。しかし、少し調べてみると、両者はともにギリシア語でも、前者はギリシア神話の固有名詞に由来すると知った。神の愛しみが育てた植物とお酒、そういう意味ではないのね。