宮本武蔵と吉岡一門

会社のPCにWindows Subsystem for LinuxのDebianを入れた。Debianのaptを通じて、TeX、Pandocなど執筆に必要なツールをインストールすることで、ようやく本格的に仕事ができる感じだ。私にとって、Word、Excelなどのオフィスソフトよりも、こういうテキストファイルからバイナリファイルに変換してくれるコンパイラの方が大事なのね。さっそく、TeXを使って、企画書を1点提出した。

私は技術に固執する変なライターだけど、私の執筆は技術とともに歩んできたから、致し方ないのである。ライターは、手取り足取り他人に教えてもらって、育つものではない。宮本武蔵のように他人の業を参考にしながら、自分のスタイルを作るのである。史実はどうか分からないが、武蔵はたった一人で吉岡一門を壊滅させた。吉川英治の吉岡一門に対する筆致は辛い。お稽古事、あるはお習事として、武道(小説道)を歩む者の先には死が待ち受けている。逆に武蔵のように独学で自らを育てた者は生きるのだ。芸事の難しさはここにある。

なので、職場でも個々の執筆のツールは最大限尊重される。使いたいものを使っていいよ、と。現場の第一線で働くライターは自らを育てて来たし、皆、そのことを理解している。ライターを育てる学校はないし、ジャーナリストを育てる学校もない。現場で覚えなさい、としか言いようがない。結局、場数を踏んだ人間が勝つんだ。学校はそのための準備機関(期間)として大事だと思うけどね。だから、そこに居る間はうんと教養を積んだ方がいい。読書をした方がいい。現場ではゆっくり本を読む暇はないし、問題に直面した時、解決のヒントをくれるから。

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