BOOKMAN

TAKASHI KANEKO

存在と味覚

昨夜、久しぶりにサントリー・オールドを飲んだ。けっして美味しくない訳ではないのだが、「アレ、こんな味と香だったかな?」と疑問符が付いてしまった。昔(といっても、2018年くらいだが)はもう少し甘く、華やかな香りだったような……。私の舌が驕ったのかと一瞬思ったが、普段、ホワイトを常備酒としているので、そんな筈はない。店舗に流通しているウイスキーの風味が刻々と変わるように、私の存在、私の味覚も刻々と変わるらしい。人と酒の出会いも一期一会なのだ。

読書に疲れた時、あるいはコーヒーに倦んだ時、酒を飲むことが多いが、その最中は音楽などを聴いて時間を空費するのではなく、ブログやその他の文章を書き留めるのが良いと思った。そうすれば毎日の更新も欠かさないし、私の一生が終わる頃には、原告の束が凄いことになっているだろう。新聞記者を辞めてよかったことは、酒を飲みながら、堂々と原稿を書けることである。