先日、酒場の常連のお客様に「10年後、あなたはどうなっていたいですか?」と聞かれた。私はためらうことなく「小説家になりたいです」と答えた。「それは良い目標ですね。でも、そのためには具体的に行動しなければなりません。その結果、後悔しても行動した方がいいです」
小説家になりたい。四十路に差し掛かった男の目標としては、少々気恥ずかしい。けれども、私の人生の次の目標は、小説を書く、小説家になることしかないから、このような形でしか答えようがないのだ。ただし、次点でキリスト教の伝道師になりたい、という目標があるが、これは本業の小説家の仕事が確立された後に成り立つ仕事なので、まず、私は書くことに、それによって稼ぐことに一所懸命になる必要がある。
しかし、酒場ではお客様からお酒を頂きながら、ふいにそんな真面目な、本質的な質問をされることがある。お酒を作る側も飲む側も、何か聞かれた時に即答できるように、常に身構えている必要がある。酒場で飲むのも油断なりませんな。