BOOKMAN

Takashi Kaneko

類的存在

初秋、といっても残暑はまだまだ厳しく、家に居るあいだはエアコンを常に除湿で稼働している。また、日光を避けるため、雨戸をつねに閉め切っている。部屋の明かりは3脚のデスクスタンドのみ。深海魚のような生活をしている。夜に働いていると、昼は自然、眠たくなるものである。この頃は日中の活動力(活動量)がめっきり減った。業務委託とは無縁の個人的な読書と執筆をしているか、自炊をして食べるか、布団で寝ている。会社員をしていた頃、布団で昼寝をすることを強く願ったが、それがようやく実現した感がある。40手前にして、人間の三大欲求——食欲/性欲/睡眠欲を鋭く意識することが増えた。これらは動物(類的存在)としてのヒトの条件である。動物としての条件が満たされた後に始めて、学問・芸術・宗教という、人間の仕事を成し遂げることができる。私は今まで人間の動物的側面をあまりに無視して生きてきた。神の似姿としての人の諸相は約1パーセントにも満たないだろう(自然に対し恩寵は1パーセントにも満たない)。この事実に絶望を抱くか希望を託すかは人それぞれだが、私はこの発見を自分の文学に活かしたいと思う。