昨日は松戸のグループホームで働いた。介護の単発バイトアプリ カイテクを通じて得た案件だ。業界に特化しているだけあって、介護の求人はタイミーよりも圧倒的に多い。
今回の勤務先はグループホーム(認知症対応型共同生活介護)。グループホームには、介護職員初任者研修の時にお世話になったきりで、実際に働くのは今回が始めてだった。
特別養護老人ホームで働いた身からすると、グループホームの利用者は比較的自立して生活していると想像していたが、実際に現場に往くと、ケアを必要とする人々が多く、介護福祉士として働き甲斐のある職場だった。
ポロシャツを着て、スラックスを穿いて、腰に作業用のポーチを吊るしながら、チャカチャカ歩いていると、施設で常勤として働いていた頃に戻った感覚を覚える。現場の職員の方々からは「3年のブランクがあるとは思えない」と言われたが、やはり、年相応になまっている。
久しぶりに介護らしい介護をしてみて、介護についての新聞記事を書くよりも遥かに楽しかった。活字ほどではないが、現場から受ける刺激はそれほど多く、豊かだ。しかし、同時に介護は大変な仕事だと改めて思った。常勤職員として週5で働いたら、こんな悠長なことは言えないのは分かっている。しかし、それでも、現場を離れて、オフィスワーカーとして易きに流れるのは、私らしくないのではないか、と思うのだ。
もちろん、介護にもいろいろな業態があり、労働の負荷はそれぞれ異なるけれども、介護職の報酬をもう少し上げてもいいのではないか。少なくとも時給1300円。できれば1500円が望ましい。国民皆保険としての介護保険には功罪がある。それは全ての国民にあまねく介護を広めたが、同時に介護の価値を下げてしまった。介護職が自身を磨り減らすことなく、豊かな生活を送れるように、どうか介護職の賃金を上げてほしい。そして、この業界で働きたいと思える人を少しでも増やしてほしい。
昔、介護を辞めて、文筆に専念しようとした私に或る同僚が言った。「私、兼子さんはこの仕事に向いていると思うんです。だから、辞めないでください」それは正しく、そして、間違っている。しかし、私は今もこの業界で細々と働いている事実だけが残されている。