汝らは既に舊き人とその行為とを脱ぎて、新しき人を著たればなり1。
『山谷の基督社会』のゼミでの報告が危ぶまれ始めた。確かに現在の私の実力では、学会報告に相応しい、仮説-実証-結論のような、科学的調査は望むべくもないが、粗削りながらも修道院という市民社会の規範から逸れた組織を素描できると自負していた。私はけっして好んで、山谷という貧困地域を取材したいのではない。
このまま『山谷の基督社会』を水子にする訳にはいかないので、たとえ、ゼミでの報告が叶わなくなったとしても、最後まで書き上げて、その完成を見届けたい。カトリック系の『福音と社会』、新教系の『福音と世界』の編集部に原稿を持ち込むのもいいだろう。開高健ノンフィクション賞に応募することも辞さない。私にも