Entries from 2021-01-01 to 1 year

兼業作家になりたい

いいことを思いついた。今の会社で労働者として働きながら、個人事業主として独立してしまえばいいんだ。具体的な条件は会社と交渉しなければならないが、確定申告は自分で処理しなければならない以外は、健康保険も、厚生年金も、現在の条件のまま継続でき…

マッキーのアルバイト

原付きの鍵を探しながら バイト仲間に じゃあねと手を振る “今日はデートだろ 頑張れよ” 返事も途中で奴は かけて行く 早番の時だけ 夕陽が見れる ミラーの中で街が染まってく とてもキレイで誰かに見せたい だけど50㏄じゃ二人乗りはできない1 上京。大学入…

半錠の睡眠薬

酒にめっきり弱くなった。いや、むしろ、飲めなくなったと言うべきかもしれない。以前は泥酔が基本で、ヘベレケになるくらいまで飲んでいたのだが、近頃は微酔で終わる。ワイン1杯、ウイスキー1杯でごちそう様である。 酒が飲めなくなった最大の原因は、胃腸…

卒アル

酒が飲めなくなった。 一昨日の夜、ワイン 500ml、ウイスキー ショットグラス2杯を飲んだのだが、翌朝、ひどい二日酔いに苦しめられた。嘔吐はしなかったのだが、眩暈、立ちくらみ、顔面蒼白、下痢……。アルコールを代謝した時の副産物である、アセトアルデヒ…

宿痾

一度、鬱を知った人間は、一生、鬱を抱えて生きていく。——畢竟、それが人生なのかもしれない。

僕は眠らない

東京と千葉の二重生活を決意したのに、近頃は夢の中でも会社のナース・コールが鳴りひびく……。睡眠中も私は介護しているのだ。資本と労働による生活の一元化ないし全体主義化が進行している。自由主義と多元主義を標榜する私にとって、これは由々しき事態で…

芸術家一族

www2.nhk.or.jp 私が吉行淳之介の名を知ったのは、NHKの連続テレビ小説『あぐり』がきっかけである。ドラマの登場人物は〈吉行〉ではなく〈望月〉とされ、あくまでもフィクションであることが強調されているけれど、原作は吉行あぐりの自伝『梅桃ゆすらうめ…

功利主義的選択

夜勤明け1日目 不眠、抑鬱、胃弱……その他、名状すべからざる不快な症状が続くので、今月末まで禁酒することにした。そして、その代りに抗精神病薬を規則正しく飲むことに決めた。 私が酒を飲む理由のひとつに「今日も眠れないのではないか」という恐怖がある…

内村鑑三の経験主義

内村鑑三 (講談社学術文庫 64)作者:森 有正講談社Amazon 『内村鑑三』の初版は1953年に刊行された。森有正がフランスに留学したのは1950年だが、本書の「解説」によると、それよりも前に書かれたものらしい。フランス留学が、現地に留まるために大学教授の職…

都内亡命 1

仕事を片づけると、私は階下に降りて、「これからドライブに行く体力は残っているかい?」と、同僚のNくんに声をかけた。 「いいですよ。夜のドライブは好きですから。でも、これから残業をしなければならないので、先に車のキーを渡すので車内で待っていて…

高齢者の教育と教養

家に閉じこもっていないで、外に出なさい1。 昨日の夕方、小岩のCafe COLORADOでアイスラテを飲みながら、『読売新聞』を開いた。新聞を月極で講読していない私は、定期的に喫茶店に通って、各種日刊紙に目を通すことで情報収集をすることを習慣としているの…

コーヒーミルク

二十代半ばで一人暮らしをして以来、毎朝(昼にずれ込むことがあるが)、コーヒーを淹れるのが習慣である。今までコーヒーに入れるミルクは牛乳でなければならないと思い込んでいたのだが、この度、Briteなどの脱脂粉乳を試してみた。すると、意外に使い勝手…

人生ゲームに於けるナッシュ均衡

昔、大手出版社で派遣社員をしていた頃、同じ部署で同じく派遣社員として働いていた女の子に「あんた、年収400万円以下でしょ」と馬鹿にされたことがある。今、勤めている会社ではそのような粗野な言葉は聞かれない。なぜなら、ほとんどの同僚は年収400万円…

給与明細

4月の給与明細を見ると、手取り約21万円。なんだこれ。先月は夜勤に入っていないので、多少少なくても仕方ないのかもしれないが、それでも新卒並みの給料ではないか。仕事があるだけ恵まれているご時世なのかもしれないが、これではとても将来の生活の見通し…

私益と公益の弁証法

特別養護老人ホームと有料老人ホーム 異動して2ヶ月が過ぎようとしている。 以前は特別養護老人ホームに勤めていたが、私はそこで慈善事業に組み込まれているように感じていた。コロナ禍でも、緊急事態宣言下でも、時短も休業もすることなく、過酷な労働条件…

立ち上る自信

私は34歳である。中年である。しかし、年甲斐もなく、新しい職場では、(年齢、役職を含めて)目上の人達から、ことごとく「兼子くん」と呼ばれている。まるで子供扱いではないか、と憤りたくなる時もあるが、実際、見た目も、気持ちも若いのだろう。男は三…

between Politician and Economist

経済学者についての伝記を読んでいる。 フリードリヒ・ハイエク作者:ラニー・エーベンシュタイン春秋社Amazon シュンペーター伝―革新による経済発展の預言者の生涯作者:トーマス・K. マクロウ一灯舎Amazon 特にフリードリヒ・ハイエクの『隷従への道』は、コ…

私の末病予防

私は酒を飲める質である。グラスを2杯、3杯、傾けたとしても、ほとんど顔は赤くならないし、意識を忘れるくらい痛飲しないかぎり、翌日に持ち越すことも少ない。身長183cm、体重84kgの巨漢であり、相当の筋肉と脂肪が付いているので、その分、アルコールを吸…

二重生活

「で、君は——、僕たちをあんなに楽しませてくれた、セント・ジェームズ・アンド・アルバニーの仕事を辞めてしまったということなのかい?」 「いえ、違います、侯爵。あれは並行しています。と言いますか、こちらのこれが並行しています。私はここにいて、あ…

銀座闊歩

先日、銀座の煙草屋 菊水で、パイプを購入した。 Talamonaというイタリアのメーカーのパイプで、初心者の私は店員さんと相談しながら決めた。「パイプを初めて購入されるお客様には、吸い方の方法など、私たちがひと通りご説明しながら、当店で一服していた…

散文家

今朝、花みずき短歌会の野倉さんの電話で目が覚めた。私が長らく(約3年)休会しているので、このまま休会を続けるか、それとも退会するか、真意を問うものだった。 「近頃、短歌を書いていないので、退会します」 すでに決意を固めていたとはいえ、自分の口…

バー・ホッパー

昨夜はバーを何軒も梯子して、ベロベロになって帰宅した(こういうのをバー・ホッパーという)。朝、目を覚ますと、意外に深く、長く、眠ったようだ。吐き気などの二日酔いの症状もない。しかし、眠るために酒を飲むと、確実に病気になる。今後、自重しよう。

開高家の孤独

「もっと手紙を送ってくれないか。孤独なんだ」 芥川賞を受賞した直後、開高健は谷沢永一にそのように書き送っているが、世間の注目を浴びていても、本人の胸中は期待と不安で押し潰されそうになっていた。「その頃、小説家になって間もなくのことだから、ど…

エッセンシャルワーカー批判

新型コロナウイルスの流行を契機に、医療、介護など、福祉の現場に従事する人々を「エッセンシャルワーカー」と呼んで、尊敬しよう、応援しよう、という向きがあるらしい。昨今のコロナ禍では、先述の呼称以外に、「ソーシャルディスタンス」とか、「ロック…

どんなときも。どんなときも。

槇原敬之 - どんなときも。 槇原敬之のベストアルバム『Smiling』を聴きながら、この記事を書いている。2020年に氏は覚醒剤取締法違反で逮捕、起訴され、懲役2年、執行猶予3年の判決がくだったが、ネット上では新型コロナのニュースの隙間を縫って、「遠く遠…

beloved

ビラヴド―トニ・モリスン・セレクション (ハヤカワepi文庫)作者:トニ モリスン早川書房Amazon 大学に入学した初めの年に、〈基礎文献講読〉という科目を受講した。ゼミナールの形式で、各自が輪番で課題の文献の要約レジュメと寸評コメントを発表するのだが…

伊興から松戸へ

3月1日より、勤務地が東京都足立区伊興から、千葉県松戸市五香に変わった。昨年末に私が「もっと都会で働きたい」と上司に訴えて、協議を重ねた結果である。私にとって「都会」とは、狭義には東京の「中」、すなわち、中央区、千代田区、港区を指すのだが、…

会食

「私、最近眠れないの。だから、睡眠薬を処方してもらっているのよ。マイスリーと言ったかしら」 会議室のテーブルで食事を摂っている女性は、中年、いや、老年に差しかかっていた。目の下の隈が不眠がちで疲労した様子を感じさせた。 彼女は続けた。「私、…

茶と香

禁酒2日目。酒の代わりになるものを、あれこれと探したあげく、緑茶に辿り着いた。衆知のとおり、緑茶にはカフェインが含まれているので、夜、寝る前に飲むには不適切かと思われるかもしれないけれど、急須で淹れた温かい煎茶を飲むと、案外、よく眠れるので…

確信犯

哲学の始祖 ソクラテスは市中の若者をつかまえて、「無知は罪である」と語ったそうだ。この罪に関するギリシア的理解は、20世紀の哲学者 ハンナ・アレントも受け継いでいて、第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ強制収容所にユダヤ人を機械的に送り込み続け…